2020年4月から小学校3年生から英語の授業が必修化されました。
急速に進んでいるグローバル社会において英語の必修化は、将来活躍できる人材を育てる為に子供達の英語力向上を目的としています。
小学校の英語学習はどんな感じなの?
英語教室に行ってないけどうちの子は大丈夫?
英語教育が必修化されてから4年以上たち、現在小学校での英語教育はどのようになっているのか?
小学生の子供を持つ親としては気になることだらけですよね。実際に私の姉が現在小学校の教師をしているので小学校の「外国語活動」について聞きましたのでご紹介します。
一般的な小学校の現状を見ていきましょう!
なぜ小学校からの英語学習が導入されたのか?
文部科学省が明記している「グローバル化の進展の中での英語力の重要性」の中に以下の事が書かれています。
「グローバル化の進展の中で、国際共通語である英語力の向上は日本の将来にとって極めて重要。」
「アジアの中でトップクラスの英語力を目指すべき。今後の英語教育改革においては、その基礎的・基本的な知識・技能とそれらを活用して主体的に課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等の育成は重要な課題。」
「2050(平成62)年頃には、我が国は、多文化・多言語・多民族の人たちが、協調と競争する国際的な環境の中にあることが予想され、そうした中で、国民一人一人が、様々な社会的・職業的な場面において、外国語を用いたコミュニケーションを行う機会が格段に増えることが想定される。」
引用:文部科学省
今後のグローバル社会において英語の必要性が高いのは明らかですが、今の小学生が大人になった時にはさらにグローバル化が進み、日本に住む外国人も多くなっていることが想定されます。
国際的なコミュニケーションをする為の英語を習得することによって、将来社会で活躍できる機会や将来の選択肢が格段に増えるはずです。
子供に将来の選択肢は増やしてあげたいですよね
小学校の英語教育の対象学年と授業目標
現在、英語教育の対象は小学校3年生から6年生。3、4年生は「外国語活動」として年間35単位時間、5、6年生は「外国語」という教科として年間70単位時間の授業を行っています。
1998年 | 総合的な学習の時間設定され、英語に関する活動が行われるようになった |
---|---|
2011年 | 5・6年生:「外国語活動」の英語教育が週1コマ |
2020年 | 3・4年生:「外国語活動」を行う 5・6年生:「英語の教科化」を実施 |
小学校3・4年生の外国語活動の内容
3・4年生の英語学習では「話すやり取り」・「発表」・「聞くこと」の3つの目標を通して、単語の暗記や知識の学習というよりも外国語によるコミュニケーションを取ることでコミュニケーション能力を育成することを目指しています。
まず英語に慣れていくのが目的ですね。
3年生では「Hello!」「How are you?」「I like 〇〇.」「I don’t like 〇〇.」など自己紹介などの英語表現と色や食べ物など簡単な単語などを学びます。我が娘の学校は「Let’s try!」の教科書を使っているのでこちらを紹介します。
Let’s Try! 1 | ・Hello・How are you?・How many? ・I like blue・What do you like?・ALPHABET ・This is for you.・What’s this?・Who are you? |
---|
4年生では、
Let’s Try! 2 | ・Hello,world!・Let’s play cards. ・I like Mondays. ・What’s time is it?・Do you have a pen?・Alphabet ・What do you want?・This is my favorite place ・This is my day. |
---|
実際に自分で英語を使いながらクラスメイトの前で発表したり、外国語教師(ALT)の英語を聞きながらまず耳を慣らし楽しく学習していきます。アルファベットを書く・英文を読むといった活動はしません。
外国語教師の国籍や教育方法は学校により多少異なりますが、ゲーム、歌、ペア活動などを使い楽しく授業を行います。
小学校5・6年生の外国語の内容
「聞く・話す」以外の「読む・書く」も授業に組み込まれ、単語や文法、疑問詞、代名詞、助動詞、動詞の過去形などの学習をします。
We can! 1 (Unit1~9) | ①Hello everyone. (アルファベット・自己紹介) ②When is your birthday. (行事・誕生日) ③What do you have on Monday.(職業・教科) ④What time do you get up?(1日の生活) ⑤She can run fast. He can jump high.(できること) ⑥I want to go to Italy. (行ってみたい国・地域) ⑦Where is the treasure? (位置と場所) ⑧What would you like? (料理・値段) ⑨Who is your hero. (あこがれの人) |
---|
例えば5年生の教材、「We can!1」のUnit9(Who is your hero.) の中で学ぶ表現は ”Who is your hero.” の他に ”Can [you/he/she] pley baseball well?” や “Are you good at baseball player? “Whe?”-[He/She] is cool. など様々な表現を学びます。
6年生になると、
We can! 2 (Unit1~9) | ①This is ME! (自己紹介) ②Welcome to Japan. (日本の文化) ③He is famous. She is great. (人物紹介) ④I like my town. (自分たちの町・地域) ⑤My Summer Vacation (夏休みの思い出) ⑥What do you want to watch? (オリンピック) ⑦My Best Memory (小学校生活・思い出) ⑧What do you want to be? (将来の夢・職業) ⑨Junior High School Life (中学校生活・部活動) |
---|
Unit1~9までの単元を学びその中の表現も学びます。小学校では文法は指導されませんが、様々な外国語活動を通して英語に慣れ、小学校での活動が土台となって中学校につながるようにすることが目的となっています。
「外国語活動」のつまづきポイント
実際に3・4年生は学校の方針で「コミュニケーション能力を育成することを目指している」とありますが、実際に詳しく調査してみると小学校の「外国語学習」には学年が上がるにつれていくつか懸念される点や不安な点が見つかりました。
① 3・4年生は音読の練習がない為、5・6年生でいきなり音読が始まり戸惑う
② 3・4年生で単語のテストがないので単語力が付かない
③ リスニングが一気に難しくなる
① 3・4年生は音読の練習がない。5・6年生で急に音読が始まり戸惑う
3・4年生は「Let’s Try!」の教科書で英文を読み聞かせる授業はありますが、実際に声に出して自分で読むことはしません。国語の音読のように自宅で外国語音読の宿題もでません。
しかし5・6年生からはいきなり音読が始まります。
3・4年生で「一切読む練習をしてこなかった」「自主学習してこなかった」のに急に音読が始まるので、かなり戸惑いつまづきやすいポイントとなります。
3・4年生の時に少しずつ家庭で読む練習をすることが大切です。
② 3・4年生で単語のテストがないので単語力が付かない
3・4年生では国語の漢字テストみたいに英単語のテストはありません。
3・4年生で240語の単語が出てきますが、この単語をマスターした状態で5・6年生に進級するならつまづくことはありませんが、「書けない」「読めない」状態から進級するのでその後の授業についていくのが困難になり、子供自身も英語学習が嫌いになる可能性もあります。
小学校3年生 Let’s Try! (1) | 〈単語:約80語〉 色・数字・形・体の部位・運動・スポーツ・アルファベットの大文字 〈語数:228語(全ての単語・文章合わせて)〉 |
---|---|
小学校4年生 Let’s Try! (2) | 〈単語:約160語〉 食べ物・野菜・果物・曜日・天気・時間・文房具・動物・動作・形容詞・アルファベットの小文字 〈語数:229 語(全ての単語・文章合わせて)〉 |
3・4年生の単語だけで約240語も出てくるのです。
単語のテストもなく単語を覚えることをしない状態で、5・6年生の授業は3・4年生で習った前提で授業が進んでいきます。小学校指導要領によると、「教師が授業内で使う単語で子供が覚える必要がない」とのこと。
結局5・6年生でこの単語がでてくるのであれば吸収力のいい3・4年生のうちに「書く」「読む」を教えるのがベストな気がしますがこの学校の方針に疑問を感じます。
すでに娘(小3)のクラスメイトが外国語活動で外国人講師が何を言っているかわからない状態なので、我が家の英語が得意な娘がみんなに教えてあげなければならない状況で、クラスメイトが外国人講師に「何言ってるかわかんないよ!」「日本語で言って!」と教室内で日本語が飛び交っている状況です。
実際に私の姉の6年生クラスも、英語を学習している子としていない子の差がかなりあるとのことでやはり小学校低学年から中学年の時期に積み重ねが重要だと思いました。
高学年になっても問題なく授業についていけるようにするには自宅で単語を練習したり、オンライン英会話を受講するのが効果的です。
③ リスニングが一気に難しくなる
3・4年生では簡単な単語や文法が中心だったのに対し、高学年になると語彙や文法表現が複雑化し難しくなります。
リスニングが難しくなる原因は聞いたことがない単語の発音がたくさんあるからです。
3年生は「Apple」や「Pink」などもともと知っている単語や発音ばかりなのでつまづくことなく進みましたが、4年生は普段耳にしない文房具の名前や曜日などが使われます。
英語の場合は自宅で学習せず時が経てば3・4年生の内容を忘れてしまい、5・6年生にはほとんど忘れている可能性大。
5・6年生は視聴覚教材を使った問題形式のリスニング活動が多くあり徐々にわからなくなっていくのです。
週1回英語教室に通ってるのに学校の授業が難しい…
学校の英語についていけず英語学習が嫌いになっている
小学校高学年になると英語の授業が難しくてついていけない…
質問に対して何て言ったらいいかもわからない…
こんな状況にならないように親としては少しでもサポートできることはしてあげたいですよね。
自宅で多くの英単語に触れたり英語のYoutubeチャンネルを見たり学校外でも英語に触れる機会を作りましょう!
子供がつまづかないために親がすべきことは?
子供が英語につまづかないようにするにはどうしたらいいのでしょうか?
中学校に入るとこれまでは1,200語程度の語彙力を学習していましたが、2020年の新学習指導要領の導入で1,600語~1,800語程度と大幅に語彙数がアップしました。
中学校から始まる英語教育の準備として小学校での英語教育は重要な役割を果たすのです。
中学生から覚える単語の数が多すぎて親としても不安になりますね
英語の音声に慣れておく
外国語の新教材関係の資料を調べたり小学校の講師をしている姉への調査から、外国語活動・外国語は非常に「リスニング」を重視していることがわかります。
・音声を聞いて英語を復唱する
・音声を聞いてノート等に意見を書き込む
・音声を聞いて問題に答える
このように音声を聞いてからの活動が多いのです。
3・4年生の外国語活動・5.6年生の外国語教科は文法を学ばず、自然に英語を身につけるための授業をします。
日頃から家庭でリスニング教材やYoutubeなどを使って英語の音に慣れておくことが重要です
我が家の娘は、未就学の時期から友人から譲ってもらったカードを通すと音声が流れる機械を使ってゲーム感覚で学んでいました。
自宅で英会話の練習をする
私たち親の世代が行ってきた英単語・文法の暗記など昔の英語教育とは現在はまったく違い、「聞く」「話す」が中心です。
小学校では実際に、授業中にクラスメイトと英語でやりとりしたり、英語でみんなの前で意見を言ったりする場面がたくさんあります。
やはり年齢が低いうちに会話の練習や単語の復唱などを練習しておくと、とてもスムーズに小学校の授業をうけることができます。
実際に知人の中学校のアメリカ人講師や小学校講師の姉に、なぜ早めに会話の練習をするといいのか話を聞きました。
高学年になるにつれて英語の発音を恥ずかしがっている子が多い。一番吸収する時期にしっかり発音を学習できないことがいつももったいなく感じるよ。話すことへの抵抗感をなくしておく方がいいと思う。
英語の発音は一番重要なのに、思春期の影響か英語の発音を恥ずかしがってしっかりした発音で言ってくれないから困ってるよ。だから小さい頃から慣れさせた方が良い。男の子の方が特に抵抗があるみたい。
年齢が小さいうちから少しでも時間がある時に、英語で会話をして抵抗感をなくしておくといいんだね!
オンライン英会話を受講する
子供専門のオンライン英会話は、私達親世代の頃と比べるとシステムが整い現在は数多くのオンライン英会話スクールがあります。送り迎えがないという最大のメリットに加え、受講料も安く一般的な英語教室とは異なりマンツーマンで会話ができます。
相性のいい講師を見つけることができれば子供が英語が大好きになる可能性も高いです。
我が家の娘はオンライン英会話を利用して4年が経ちました。無料体験もできるのでさまざまなオンライン英会話スクールの体験をしたり、実際に有料会員にもなりましたのでオンライン英会話スクールが何十社もある中で特徴も見えてきました。
子供向けの楽しい教材で講師と楽しみながら英語を学べるのでオンライン英会話はおすすめです!
お子さんに合ったオンライン英会話スクールを探しましょう!
まとめ
今後ますます重要視される英語力。
現在、小学生の子どもが大人になる頃には、今よりますます英語でのコミュニケーションスキルが求められる時代になると予想されます。小学生の早い段階で英語に対する免疫をつけておくことが重要です。
小学校での英語教育をより有意義なものにするためには、まずは保護者のみなさんが英語教育に対する理解を深め、「英語は楽しい」と思えるようなサポート・準備をしてみましょう。
コメント